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覚醒
第8章 全裸歩行
クレアは立ち上がりゴミ箱から紙袋を取った。
【外のゴミ捨て場まで…】
クレアは玄関まで行きサンダルを履いた。

【私は大丈夫…】クレアは自分に言い聞かせる。

大きく深呼吸をした。ガチャ…ドアが開いた。
ドアの隙間から外の空気が入る。
クレアは唾を飲み込み、目を瞑りドアを開け一歩外に出た。外の空気がクレアを包みクレアは大海に放たれた小魚のように一気に外の空気に飲み込まれた。

【やっぱりダメ!】

クレアはドアの内側のセーフティーゾーンに逃げ込む。
肩で息をして、また大きく深呼吸をした。

【大丈夫。私は大丈夫。楽しい事だから…私は大丈夫】

クレアは大海にまた自ら飛び込んだ。

静まり返る共用廊下。いくつかの部屋には明かりがまだついている。クレアは一歩、また一歩エレベーターに近づいた。ガサガサ……風が隣の部屋の窓の格子にかかっていた傘を揺らした。
クレアは両手で胸を隠した。

【大丈夫…大丈夫…私は大丈夫…】

クレアはまたエレベーターに向かい歩く。

【左に曲がればエレベーター…】

あと三歩、エレベーターが動いている!クレアは焦ったしかしクレアは逃げない。

【大丈夫。この階には止まらない…大丈夫】
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