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覚醒
第12章 脳内麻痺
「使えない奴隷…」

おびただしい血液が飛び散った。
クレアが村田を刺した。

「ぐ、ぐわぁ〜」
村田は叫び、倒れ、またクレアが刺して。

私の気が遠くなり、私も倒れた。


気がついた…病院のベッドの上。
「気がついた?大丈夫?」
「ここは…?」
「病院よ…」

私は起き上がろうといた。

「まだ無理よ!寝てなさい。」
「君は?誰?」
「何言ってるの!私よ由美!」

「由美?」

私の記憶が無くなっていた。

【記憶喪失…】

「山下さん…山下さん…」
「は、はい。」

由美は診察室に呼ばれた。

「ご主人の記憶喪失なんですが、大量の注射を打たれたのが原因ですね。記憶が戻るかはわかりません。
記憶がない事もしかり、体も薬の影響で神経がだいぶやられてます。退院はできますが、日常生活に支障が出ると思います。」

由美は泣いた…【私との記憶が…】

由美は病室に戻った。

「私は由美。あなたの妻よ。だから私があなたをこれからずっと看病しますから、心配しないで…」

「あ、ありがとう…」

クレアは生きているのか、死んでいるのか、誰もわからない。警察の調べで私は現場にはいたが、包丁にはクレアの指紋だけが付いていたらしい。

クレアは村田を刺す直前に包丁に付いていた私の指紋を拭き取ったらしい。

クレアに残された最後の理性だったのか?
しかし私は記憶を無くし、由美、警察に説明を受けても何もわからなかった…
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