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第2章 終章

「綾乃嬢、るろうに検診つきあってくんねぇからよぉ…」

綾乃嬢とは俺が名づけた彼女の仇名である。
るろうに検診は映画だ。

誘ってもいないのに既にフラれた的な言葉を綾乃嬢に投げかけてみる。
その反応が重要だ。

事前にるろうに検診のテーマである「チャンバラは好きか？」ということだけ訊いていたのだ。
彼女の返事は「興味ない」だった。



「誘われてないっすよ」

綾乃嬢は、笑顔で言い放った。

「チャンバラ嫌いだって吐いてたじゃねェか」

俺はソレが拒否なんだよと遠まわしで言う。

「チャンバラは興味ないっすよ。映画の誘いだと思ってなくて…」

「るろ検、見たくないんでしょ？」

この問いが、今後を左右するジャッジに重要なのだ。
見たいといえば、俺に興味があるということ。
見たくないなら…最初の会話に戻って笑い話として溶かす。


「プレーンズ２見に行きましょうよ」

だいぶ話は変わったが、彼女とデートできるようにはセッティングができた。
この場合は、彼女は俺とプレーンズ２を見に行きたいという願望が少しだけあったのかもしれない。


「いいよ。でも、綾乃嬢が車出してくれ」

「ええっ？」

綾乃嬢は驚いた。
普通は男が車を運転するからだ。