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彼女は国宝級☆
第2章 終章
「普通は男が車を出すのが相場っすよ」
「確かにっ!」
俺は、やや真顔で彼女に答えた。
「確かに…確かに貴女の言っていることは正論だ。
だが、茨城県…いや…ウチの部落では、自分の車に乗せた女は襲うのが礼儀なんだよ」
「はははっ。そんな決まりないっすよ」
「だからウチの部落はって言っただろ」
これは、地方ではよくある話。
部屋に来た、
車に乗った、
女は犯される覚悟がある。
逆に部屋に来た女に手を出さないのは恥をかかせることなのだと兄から教えてもらったことがある。
茨城では「男と行動する」ということは「強姦」されることと同義語なのだ。
なので、「男に乱暴された」という訴えはない。
裁判になっても「部屋までついてきたからヤる気があったと思った」と言うだけだ。
そんなこんなで彼女と映画を見に行った。
映画は大手デパート内部にあるため現地集合だったが、食事は並ばなきゃ食べられない有名ラーメン店だった。
場所は、デパートから離れた大学の近くで俺の車で行くことになった。
複雑な道だけど、ナビするからと伝えたのだが彼女はのこのこと車に乗ってきた。
わからないから連れて行ってくれとのことだった。
馴れ馴れしいが、そうとう俺と相性がいいのだろうか…
間違いなく彼女は男経験がない。
「乗せた女は襲うのが礼儀」については敢えて触れなかった。