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吼える月
第26章 接近
  
「"神獣縁起"によると、青龍の身体にはきらきらする鱗が沢山あるらしいんだけど、その中の一枚がすごく光を放つものらしくて。それが青龍の生命線のように力が宿る部分らしい。それに触れられるの自体青龍は嫌がるから、それを取るのは難しく、仮に取れても青龍は大暴れした後に動けなくなるらしい。まあ逆鱗は再生するらしいから、それまでの間だけど」

「ふむ?」


 サクはイタチは弱点があるのかと考えてみた。

 亀は屈強そうだが、もう既にイタチの神獣となってしまった以上、弱点だらけだ。放置すればネズミに狂い、たらふく食べれば眠り込み、逆さまにされれば鼻血を吹き出す。…庇護されるべき小動物すぎる。


「倭陵の生い立ちが書かれた、星見文書……多分というか絶対お兄さん見ていない気がするから、説明するけど。星見はわかる?」

「ああ。凶々しい予言を書いた奴だろ?」

「そう、未来と過去を見れるという異能集団。彼らが残した倭陵の歴史書の中に、皇主の住まう皇城の外壁…輝硬石で初めて作られた経緯が書かれているんだ」

「へぇ、噂に聞く難攻不落の壁は、輝硬石製か。…って、え? すげぇ長いあれ、まかなえるほどの大量の輝硬石、昔はあったってことか?」

「希少価値高い今のそれと、星見文書に書かれていたものとは、作りが違うんだ。今の輝硬石はどうやって作られているかはわからないけれど、昔のはもっと神秘的なもので、星見は昔のを"真"の輝硬石と表現している」

 
 テオンが笑った。


「女神ジョウガが作り出した"真"とする輝硬石は、青龍の逆鱗と……、それをさらに強化するためにあるものを使った」


「なんだ?」


「子を想う親の愛情」


 テオンの答えにサクは複雑そうな顔をした。


「子を想う親の愛情はなによりも貴く強いもの……。だからだよ、お兄さん。子供が残され、蒼陵の大人達がいなくなったのは」

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