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吼える月
第26章 接近
 

「この外での家屋には生活臭がしたよね。それは、なんらかの理由で死ぬことを"選ばなかった"者達が、いずれこの要塞に迎え入れる子供達が育てるような街作りをしているんだ」

――そうだ。じっくりと考えさせた。その上で出た結論なのだ。無論、異議を唱える者もいる。それらが外の街の者だ。いずれ迎える準備の役目がある。

「それまでの間は、残された老人達と兄貴……ギル達が面倒を見ている」


 蒼陵の民の…連れられた大人達の"命"――。


「子が生きる未来のために、親が犠牲となって輝硬石となり、蒼陵と子供を守っている……そう言いたいのか、テオン!?」


 荒げられたサクの声に、テオンは神妙な顔つきで頷いた。


「本当なのか、祠官、ジウ殿!! 国を守るために、子供を守るために、あなた達は、死ななくともいい者達に"死"を推奨していたのか!?」


「……サク殿は、それが悪いことだとお思いか?」

 祠官の落ち着いた声に、サクの語気が荒くなった。


「当然だろう!! 国を守るために、誰かを犠牲にしていいのかよ!? 犠牲を出さないように、護れるように考えるのが、国の主……武神将の役目だろう!?」

 祠官は冷ややかな笑いを見せた。


「それは理想論だ。私達は"活きた"国を、少しでも多くの者達が残る後世に残さねばならないのだ。蒼陵は生き長らえなければならぬ。

光輝く者に滅ぼされるという忌まわしき予言回避の、祠官同士の結界は……、うまくいかぬことはわかっていた。予言されたものは確定された未来なのだ。私達がそれを変えることは出来ぬ。だから私に青龍の力がなくなっていることもあえて口に出さなかった」
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