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吼える月
第26章 接近
 

「青龍の逆鱗を取ると無力になると言ってたな……。だからか、ここに青龍の加護がないのは。どんな理由であれ、神獣に守られている"人間風情"が神獣から無理矢理逆鱗を奪ったんだ。それに怒って加護がなくなったとしても、おかしくねぇ。神獣に滅ぼされなかっただけマシなのかもしれねぇが」

「お兄さん。多分……、逆鱗を取ると青龍は暴れるというから……」

「暴れるっていっても、祠官もジウ殿も青龍の姿は見えねぇんだろ?」


「見えなくても神気というものでその姿は想起は出来る」


 祠官がテオンに代わって答えた。


「山になっていることに気づかなかったのに?」

「……逆鱗という場所を触れれば、そこから青龍の力が感じられる。そこから青龍の巨大な姿を喚起出来た」


 黒陵だって、最強の武神将と呼ばれるハンすら玄武の姿を見たこともなく、内在した力の大きさによってその姿が直視出来るというのなら、青龍の力を薄れさせた祠官や、ハンに及ばないジウが、青龍に気づかなくとも無理がないのかもしれない。

 他の者も目に出来る、あのイタチだけが特別性なのだ。


「まあいいや。その逆鱗を獲りに行ったと。青龍から授けられた力で、大元の青龍の逆鱗を獲りに?」

「左様。滑稽であろうとも、逆鱗の取り方は文書にはあらず。だから4国の祠官と武神将に伝わる、神獣封じの術をジウと行ってみたのだ。神気を抑えることが出来れば、ジウならばそれをえぐり出せる」

 目に見えぬものからえぐり出すことが出来るのか不思議に思ったが、ジウの武術とその力の技は優れていることは確かだ。
 
「だがジウをもってしても、元より青龍の力が薄く体力がなかった私がいては、暴れる青龍を止めることが難しく、それによって蒼陵の地に地盤沈下が起きてしまった。それでもなんとか…やっとの思いで、その部分のものを蒼陵の神器とされ、武神将の持つ二対の青龍刀によってえぐり、同時に刀に封じ込めることに成功した」
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