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吼える月
第26章 接近
  


 青龍刀――。

 サクは船上で、テオンが作り出した怪物と闘う時に、シバが青龍刀で闘っていたことを思い出す。

 もしかして、その刀は……?


「その刀は今どこに?」

「逆鱗を宿し、規定以上の神気を宿しすぎて錆び、使いものにならなくなり放置しておる」


 まさか、その刀は――?


 サクはその視点でも、並行して事象を見つめ直すことにした。

 
 
「……青龍が暴れたために、水害が起きたんだな。だが浮島を前もって提供していたということは、ある程度予測はついていたということか」

「左様。だから大勢が助かるようにと、手を打った。これもテオン様を治癒させたおなごの助言があったからこそ出来たこと。だから私にとってもあのおなごは、女神ジョウガの化身としか思えないのだ」


 ジウは鼻息荒くして、豪快に笑った。


「その怪しい女の浮島構想が、民を救った。そして沈んだ土地は、海底都市に利用された……と。まあ上の青龍殿の床を見れば、海の中にどうやって街が成立できたのか…などいう質問も無意味だな。

しかしなんで逆鱗の場所がわかったんだ?」

「遮煌の原因となった、蒼陵と黒陵の境界に光るものがあったという話を覚えておいでか?」

「ああ。親父も一緒に、異常ないことを確認したという奴だろ?」


 言い終えてから、サクは目を細めた。


「まさか、その光っていうのが!?」

「左様。その時は気づかなかったが、実は黒陵と蒼陵を隔てる山脈は……」

「ああ、青龍なんだろ? 山脈じゃなくて。龍脈となって皇城や倭陵全体に力を注ぎ込んでいた」


 するとジウも祠官も驚いた様に声を上げた。

「なぜそれを!? 私達は古い文献を読み直して、1年前に知ったばかりというのに。ハン殿が知ってらしたのか!?」

「いいや、イタ公さ」


「なんと!!」

 ジウは小さい目を大きくさせたが、目の大きさはやはり変っていない。


「で地殻変動……地盤沈下で海面が上がり、青龍が海に沈んだ形になったんだろ? ああ、これもイタ公情報だ」

「あの小亀、そんなに物知りだったなんて…」

 テオンの呟きの後、ジウも感嘆のため息を零した。
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