この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第26章 接近
 





 そして密やかにサクはジウに囁く。



「……ジウ殿。リュカが脅しに持ち出したのは、あなたが隠し続けていたシバのことではねぇんですか? だからあなたはシバに、青龍刀が渡るように仕向けていたのでは?」


 ジウの肩が跳ねる。

 嘘をつけない彼は、反応したのをサクに見られて己を悔いる。




「そう考えれば、あれだけ毛嫌いしてながらも、遮煌時にあなたがシバを殺さず、そして今まで見逃し続けていた、おかしな事象の理由になる。

ギルがシバに、叔父ではなく従兄弟としたのは、ギルとあなたとの密な関係を悟られないように。ギルに面倒を頼んでいたのはテオンだけじゃねぇですよね?

あなたはやはり情の厚い方なんだ。あなたを頼った俺の親父の目は節穴じゃなかった。……そうでしょう?」

 
「………っ」


「【海吾】に着くまでに、聞かせてくださいよ。祠官が最期に口にしたあなたの"願い"とやらを。祠官の遺言なんだ、無碍にはできねぇですよね?

まあ餓鬼を相手に、ゆっくり話がしにくいかもしれねぇけど。その前に、餓鬼のいる海に船で行けるのか疑問だが、まあ…、武神将ふたりいればなんとかなるか、あははは」


 そう、ジウの肩に手を乗せ、朗らかに笑った時だった。





「サクちゃん、お気楽すぎ。きゃはははははは」




 背後から、小馬鹿にしたような言葉と、耳慣れた幼い少女の笑い声が聞こえてきたのは。


/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ