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吼える月
第3章 回想 ~予兆~
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倭陵大陸は、中枢の皇城に座す皇主を守る四国で護られている、ひとつの大きな国である。
四国……。
ひとつは、山で囲まれた北国、神獣玄武を祀る黒陵国。
ふたつ目は、森に囲まれた西国、神獣白虎を祀る白陵国。
三つ目は、海に囲まれた東国、神獣青龍を祀る蒼陵国。
最後は、岩に囲まれた南国、神獣朱雀を祀る緋陵国。
それら四国の民の統率に、各国に皇主が遣わせたのは、それぞれの神獣を祀る神官である"祠官"と呼ばれる者達であり、そして彼らを補佐するのが、その神獣の力を引き出すことが出来るといわれる"武神将"である。
祠官は国主でありながらも、あくまで皇主ら絶対的忠誠を誓った臣下であり、皇主代理の立場での統治を原則としている。
同時に武神将もそれぞれの祠官を裏切ることは出来ない。裏切れば、祠官が祀る神獣に己の身体を裂かれると言われている。
~倭陵国史~
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