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吼える月
第27章 再来
テオンとジウの悲痛な声が重なる。
「シバ!?」
「シバ、しっかりしろ!!」
「ここは私が!! は――っ!!」
女が前に出て掌を向けると、びくりと身体を震わせた金色の男は、冷たく笑う。
「ほぅ、お前は……なるほど。余に近い存在らしいが、そんな程度の緊縛の術では余は止められぬ」
ゲイは、女に縛られていない証拠とばかりの饒舌で、ついでとばかりにシバを貫いた手を回転させた。
「うがぁぁぁぁぁっ!!」
シバが声を上げて、血を吐いた。
「さて、青龍の武神将。このまま心臓まで"穴"を拡げてもよし。
この者の命が惜しければ、言うのだ。青龍の鍵の在処を」
臨戦態勢に入っていたジウが、悔しげに顔を歪ませる。
「それとも祠官が御存知か? この者の代わりになるか?」
上げられた反対の手から金色の光が飛ぶ。
女が素早く動いて、テオンを守った。
「ほほう、余の力を受けても動けるとはな。お前はあとで遊んでやろう」
ゲイの眼差しが艶を含んだ。
「青龍の鍵を在処(ありか)を言おう!!
だからすべての者の危害をやめよ!!」
ジウが唸るような低音で言った。
「皆に危害を加えるのなら、このジウ=チンロン、神獣の名にかけて永久に口を噤(つぐ)もう」
ジウが青龍刀を拾い、刃を首にあてる。