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吼える月
第27章 再来
 

 リュカの指先がユウナの秘部に行き着いた。

 下着の上から、リュカの繊細な指先が秘裂をなぞると、ユウナの身体がぶるりと震えた。


「やめてよ、リュカ、やめて」

「やめて欲しいのは、僕にばれるから?」


 何度かなぞった秘裂を指で押すと、湿った音を響かせた。


「この意味は?」
 

 ユウナが頭を振り、それを見るリュカが笑う。


「サクはどう思うだろうね。父親の敵に濡れてしまうお前のことを」

「や……めて」


 リュカの指先が、強弱付けてユウナの秘部に戯れる。


「勘違いするだろうね、お前がまた僕に惚れてしまったのかと」

「違……ぁあっ!!」

 否定しようとした時に、下着の中に入ってきたリュカの指。

 それに感じて嬌声を上げてしまったユウナは、悔しそうに唇を噛んで、その刺激に耐えた。
 

「サクも知ってるよ、あの夜、僕に抱かれる気だったお前を。わかっていて、お前から遠ざかっていた。昔からお前にべったりな護衛のくせにね」


 くちゅくちゅ……。

 淫らな音が鳴り響く。


「……っ、……っ」


 リュカの指は器用で、すぐにユウナの感じる場所を見つけると、そこを重点的に攻めてくる。

 ユウナは上気した顔で、官能に溺れまいと必死に我慢していた。



「再現してやろうか」


 リュカが、声を殺すユウナを覗き込んだ。

 とろりとした……、婚儀の前に見せていたような"男"の艶を見せて。



「愛してる、ユウナ。

僕だけを……永遠に見つめて。

誰にも…サクにも、君を渡したくないんだ」


 それは今までのリュカの顔。

 切なそうな、寂しそうな……そんなリュカが見せていた"男"の顔。

 自分が欲しいと、訴えていたその顔。



 時間が戻ったように思い、ユウナの心が奮えた。


 あの夜が偽りの夢だったように思えた。

 このリュカこそが真実で、残虐なリュカは現実にはいなかったのだと。



 だが――。
 

――姫様、好きです。
 


「サク……」


 涙を流しながら呼んだその名前に、リュカはびくんと身体を震わす。

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