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吼える月
第29章 変現
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――なあイタ公。寝ている処悪いが、ちょっと頼みがある。まず聞きたいんだが、瀕死の人間を回復するのは、人間が放つ力と神獣自らが放つ力と、どちらが短期間で劇的な回復を見せる?
――やっぱりそうだよな。だけど青龍はぐっすり寝ていて、外からなにかしても、もぞもぞするだけで起きてくれねぇんだ。…だったらイタ公。青龍を説得してくれねぇか。早く起きろって。同じ神獣仲間のお前の言うことなら、聞き入れそうな気がするんだ。
――もし動けないというのなら、こう言ってくれ。
「汝が顕現せし姿は、その身だけか」
「汝の力と、汝の思いを受け継ぎし汝の器にて、汝の思い、汝の民に告げてみよ」
「汝、忘れられた神獣にはあらず!」
「女神ジョウガに託された、蒼陵国鎮護の命を護り、
汝、今こそ目覚めるべし!」
「我の如く、国を滅ぼすことなかれ!」
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