この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第29章 変現
  
 つまり今の苦痛は、最初の婉曲な言葉や直球の言葉から、呪詛が遅れて発動されたものではなく、サクが"もしかしたら"の可能性を思ったから、初めてそこで呪詛が働いてなされたものではないかと。


 自分だけの問題ではなく、サクの心の動きも重要となってくると。

 サクにわかるような告白こそが禁忌だと。

 
 もしもサクが鈍感ではなく、最初の遠回しの言葉でユウナの想いを察していたら、恐らく今と同じ目にあっていただろう。遅かれ早かれ、サクと心を通い合わせた時点に、呪詛が働いたようにユウナには思えるのだ。

 つまりどんなに遠回しに伝えても、字で書いたり、他人に伝えて貰っても、サクとユウナ両者同時に意思疎通があった時点で……呪詛が発揮される、そんな気がした。

 多分、サクの心と自分の心が同化するような……、想いがひとつになれると強く思ったその瞬間、昂ぶる自分の身体も、ただ一方的に思われているのとはまた違う、サクに共振するような…なにか変化があるのだろう。きっとそこに呪詛は働いている。
 

――サクに想いを伝えようとすると、必ず発症する……そんな呪詛を。


 サクに届く、その想いの伝達だけではなく、サクと共に分かち合える喜びを、幸せをもリュカに禁じられたのだ。


 相手に届かない想いは、実現することが叶わぬ、ただの妄想。

 サクは目の前にいるのに、サクに気づいて貰うことが出来ない。


 ようやく気づけた、自分の気持ちを。
/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ