この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第29章 変現

 
「サクの種を……あたしの奥に頂戴? サクの熱いのを、あたしの最奥で受け止めたいの」


 どくん。

 サクの心臓が跳ねた。

 それは、思いきり果てたい心を抑圧するサクの、最大の誘惑となる。

 だが誘惑はそれだけに留まらなかった。
 


「サクが好き……」



 突然の、ユウナからの告白。


「治療じゃなく、女として……サクに抱かれたいの。もっと愛に蕩けながら激しく交わりたいの」

「……っ」


「ふたりで気持ちよくなろ…?」



 それはサクが心から願っていること。

 だがそれを発言したのは、紫の瞳。

 それは、ユウナが正気ではなく、魔が支配していることの証なのだ。


 切実に愛を訴えるユウナは、本来のユウナではないことをサクは悟っていた。悲しいくらいに、別人だと。


 これは魔の誘惑だ――。


 ユウナに飽き足らず、自分をも支配しようとしている。

 心躍らせたら最後、鎮呪は失敗してしまうだろう。……否、これは失敗させるための誘惑だ。

 そうなってしまったら、ユウナは……魔に支配されたままに、自分の屍を踏み越えて、この妖艶な美貌で男達を食い物にしていくかもしれない。


 サクの頭の中に、船で見たユマが思い浮かんだ。

 いつも笑顔を絶やさず、心優しくて清純だった彼女は、身体に浴びせられた大量の男の精液を、嬉しそうに舌で舐めとっていた。そして魔か動物のように、獰猛に首に噛みついてきた。

 詳しく思い返せば動揺に萎えてしまいそうだが、ユウナまであのような姿にさせてはならない。


 ……なによりユウナを、他の男に抱かせたくない。

 あの凶夜のように、傍観している側に立ちたくないのだ。
/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ