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第29章 変現

　


「くっ……」


　主導権を握られてたまるかと、サクも下から腰突き上げ、そのままサクは座位に持ち込み、肉棒のあたる角度を変えていく。

　サクの目の前で、反り返るユウナが突きだした、豊かな胸の頂きが尖りながら、魅惑的に揺れている。

　この胸を愛して、ユウナは乱れたのだ…そう思うことが許されぬサクは、無感情でユウナの胸の頂きに吸い付いた。


「ああああっ、駄目、駄目ぇぇぇっ」


　ユウナが甘い声を出しながら、サクに倒れ込んでくる。

　その舌でサクの喉もとの血を掬い、血で染まったその舌でサクの耳に這わせる。ユウナの愛撫でサクはぞくぞくとしたものを感じながら、その快感にひっぱられそうになったが、唇を噛みしめてやり過ごす。

　まるで獣の戦いのような性交は、愛情などなかった。

　果てさせられるか、自分が果てるか……その戦い。


「はぅぅぅっ、サク、サク……っ、大きい、大きいよぉぉぉ」


　どこからどう見てもユウナの型をしているのに、自分を見る瞳が違う。どんなに魅惑的であろうと、それはサクの求めるものではない。ユウナが感じている様は、違うのだ。もっともっと……自分に衝動を与えるのだ。


「ひゃああああんっ」

「……ここか」


　ユウナの弱いところを見つけたサクは、そこを重点的に突いていく。

　うねるユウナの蜜壷の内部は、まるで生き物のようにサクに絡みつく。

　それは呪詛の抵抗とも言えた。

　邪痕が落ち着いていても、こうして神気を胎内に注いでも、完全に祓い切れていないのだ。なにかの拍子にすぐ膨れあがる。

　前回と違うような奇妙さを感じながら、膨れあがる呪詛のしがらみを抜けるのに、かなりの気力体力を奪われていくのをサクは感じていた。ここを乗り切らねば、この勢いはユウナの中に雪崩込むことになる。


　それをわかっていても、細く沢山の触手のようにサクの肉棒にまとわりつく呪詛の抵抗は、性交して果てたことのないサクを、快楽に堕とそうとする。