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吼える月
第6章 変幻
「"ひとでなし"護衛の汚名返上に、"洗浄"のご奉仕させて頂きます。……あの男が触ったところを、俺が綺麗にしますから。俺が上書きしますから」
熱に浮かされたような掠れた声。
サクの黒髪がユウナの乳房を擽るように揺れ、サクの熱い舌がユウナの乳房を円を描くようにゆっくりと丹念に"洗浄"を始める。
ユウナに跪いて行われるそれは、まるで儀式のようで、その一途な奉仕の具合が、ユウナから警戒心を薄れさせた。
サクは自分とは違う性を持つ。
それはわかってはいるけれど、性的な意味での"男"を意識していなかったユウナにとって、サクとのこうした接触は、ただの幼なじみ或いは護衛を超えたものだということを感じながらも、現在のサクがいかに男であるのかを感じて妙な感慨に耽った。
忌まわしい色に触れられた、あの危殆を孕んだ艶ではなく、包み込むようなサクの艶に……次第にユウナは酔い痴れていく。
サクは金銀とはまた別物の"男"。
羞恥や怯えはあるけれど、それ以上に……サクが自分に触ってくれているのが嬉しいという、安堵感に包まれていた。
もう見てもくれないほどに侮蔑されたと思っていたあの時。
あの記憶は、なかったかのように薄れていく気すらしてくる。
同時に強まって感じる、サクという存在。
サクの熱。
サクの匂い。
サクの息遣い。
サクなのに。
あのよく見知ったサクが相手なのに。
「っ、……ぁ、……ぁあんっ」
体が気持ちいいと感じるのだ。
凌辱されたばかりの汚い体のくせに、いたわるようなものではなく……もっと荒々しく触れて欲しいとまで感じてしまうのだ。