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吼える月
第6章 変幻
そして思い出す、初めて見知らぬ男に胸を触れられ、皆の見ている前で乱れたあの時の自分を。
忌まわしい金色に触れられ、体をくねらしていた淫らな自分。
やはり自分の体はおかしくなってしまったのだ。
こんな体をサクに知られるわけには――。
「ん……。どうしました? ただの"洗浄"で……凄く色っぽい声出して。気持ちいいんですか、ただの"洗浄"なのに?」
"洗浄"を強調するあたり、それを理由としないでユウナが悶えていることをサクは既に知っているのだろう。
感度の高いユウナの反応と、女としての高みを望む心を知りながら、それを知らぬふりをするでもなく、逆にわざと意地悪くユウナの羞恥心を煽ろうとするのがやはりサクで。
いつものようにされれば、勝気なユウナもいつも通り意固地になる。
体に触れられているという緊張感も恐怖も、そして自分の体に対する嫌悪感も、サクの変わらぬ態度で取り除かれているということに、彼女自身気づかずして。
「そ、そんな声なんか出してないわ!!」
「そうですか、では気のせいか。ん……っ、おや、ここ腫れてますね?」
サクの舌先が勃ち上がった胸の蕾を捕え、その根元をくるくると転がし、ゆっくりと唇で吸い付き、カリと軽く歯を立てた。
肌を羽毛でなぞるような刺激から、突如強い刺激に変わる。
「ぁああんっ、それ、駄目ぇぇ……っ……」
ユウナから切なげな声が漏れる。
「姫様? どうしました? 腫れすぎていたから膿を出そうと思ったんですが……。ああ、ますます大きく赤く腫れ上がってきちゃいましたね。痛すぎました? だけど悲鳴と言うよりは、気持ちよさそうな声でしたけど。俺、なんで駄目だし食らったんですか?」
……サクは絶対わかっている。
「……言いたくない」
真っ赤な顔でユウナは、唇を尖らせた。
「言わないということは、気持ちいい声だったんですね?」
「言いたくない」
「俺の"洗浄"で、気持ちよくなってしまったんですね。ほら、こんな風に」
「だから言いたく……ぁああっ」
胸の頂きにある蕾をころころと舌で転がし、乱れるユウナにサクとくすりと笑う。
「可愛いな……姫様」
その呟きはユウナに届かずして、サクの優しい舌での洗浄は、乳房を余すところなく、念入りに進められた。