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吼える月
第31章 旅路 ~第三部 朱雀の章~
ユウナは、突然の甘い刺激にぶるりと身震いしながら、か弱く啼いた。
「……可愛げない? ……その逆ですよ、姫様」
熱の籠もった声でそう言った後、耳の穴にわざと細い息を吹きかければ、ユウナが鼻にかかったような甘ったるい声を出して、サクの腕の中で微動した。
サクは自分の愛撫に感じて声を漏らすユウナを、大事そうに愛おしそうに抱き締め直しながら、そのコメカミあたりに唇を押し当て、囁く。
「すげぇ可愛いです……」
「……っ」
その艶めいた歓喜の声を耳にして、ユウナの身体に甘美な微電流が走る。サクの声に興奮したユウナは、喘ぐような声を上げた。
「可愛いです、すっげぇ可愛い……」
熱に浮かされたように、ユウナの白く細い項に、熱い吐息と共に舌を這わせれば、ユウナが腹にあるサクの手を上から掴みながら、サクの身体に寄りかかるように力を抜いて、喘ぎ声を上げる。
「……なんで抵抗しねぇんですか。そんな可愛いことされ続けたら、俺……、止まりませんよ?」
サクの声も興奮に上擦っている。
「姫様が欲しくなります」
ユウナは泣きそうな顔をばっと上げた。
サクの声に酔いしれて、とんでもないことを口走りそうだった。
……封じた心を口走らせたくないと、無意識にユウナが焦躁する。