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吼える月
第31章 旅路 ~第三部 朱雀の章~
ユウナはどうしていいのかわからず、泣き出しそうな顔をしながら、サクが官能的な男の表情をして口づけているのを見て、腰にぞくぞくするのを感じ、ぶるりと身震いした。
いつもの屈託なく笑う、どこかあどけなさを残していたサクはいない。
戦いに身を投じていた、あの精悍さともまた違う……睦み合っていた時に見せていたような、魅惑的な妖艶さを漂わせる…ただの男だ。
サクの熱が頭の中まで浸透してきて、おかしな気分になってくる。
もっと深く繋がりたいと、サクに欲情しているような気分に。
秘部が熱い。じんじんと疼く。
ユウナの女の部分が、サクの男の部分に呼応していた。
どこかで自分が騒ぎ、どこかで自分がたしなめている。
欲しいのは身体だけではないはずだと。
はしたない欲は捨てよ、と。
それを第三者のように眺めたユウナは、服地越しとはいえ、荒い息をして唇を食むような性急な動きで、角度を変えて口づけてくる情熱的なサクを愛おしく思い、自由な片手でサクの頭を撫でた。
するとサクが鼻にかかったような声を漏らしながら、握った手を指で弄り始めたため、ユウナは手のように唇をも直に触れたく思ってしまう。
この布地がもどかしい。
もっとサクの熱を感じたい。
服をとって貰いたいのに、ユウナは言葉では言い出せなかった。