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吼える月
第6章 変幻
「ああ、サク……っ、それ違う、洗って……ないっ、なにか違う!!」
「洗い方も色々あるんですよ、姫様。擦る、引っ掻くだけでも、こうやって直線状に……。或いはこうやって捻るように回転したり、部分的にまたは全体に……」
「はぁぁっ、サ、ク……っ、全部やらなくて……いいからっ、あああ、もう、普通でいいからっ、ねぇ、なんか変になりそうだから……っ、早く洗い終って……だからそれ、いやぁぁっ!」
痛みを薄めさせる快感を感じ始めたユウナは、サクの指の動きの変化に都度反応し、びくんびくんと体を跳ねさせた。
「サク……ぅっ、意地悪……しないで……っ」
はぁはぁと息を乱しながら、なにかを訴えるような切ない顔をサクに向ければ、サクはたまらないといった顔つきになりつつ、いつもの態度を曲げなかった。
想い合う恋人同士の睦み合いとはかけ離れた……まるで子供のような些細な意地悪。
……そうでもしてまぎらわせていなければ、洗浄という名目で触れているサクの理性が、ユウナの艶めかしさに壊れてしまいそうだった。
「どの"洗浄"も……気持ちよさそうですね、姫様。姫様は本当に俺の"洗浄"がお好きなようだ。俺……これから姫様専用の洗浄役に転職した方がいいですか? それとも兼任を許して貰えます?」
上擦った声を出しながら、サクは錯覚しそうになっていた。
指ではなく、自分自身を挿れているようだ――と。
喘ぐユウナに同調するように息を合わせ、密やかに同様な悦楽の息を漏らしながら……あえて軽口を叩いて、自身の欲の昂ぶりを鎮めていた。
今まで、色街で萎えて使いモノにならなかった自分自身が嘘のように、熱く反応している。
ユウナのナカに入りたいと、大きく存在を主張して、……痛いほどに。