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吼える月
第34章 連携
「待て、テオン。そこからいくと、さっきやった"ひりよう"が"きりよう"になってしまう。変換の優先順位があるんじゃないか?」
「歌の順序か! だったら……」
我が国→ ひりよう → かがみ
かがみ→ 我が国 → ひりよう
我が力(=ひ)→ち
ち → き
は → よ
た → し
の → む
す → て
お(を)→め
★最後に逆さまにする!
「これでいくと……」
てなとりとむちでいろむむうよりちのもるげしまさめみやがわ
「駄目だな、やはり"きりよう"になる。だったら、"ち"はすべてのものを変えるのではなく、"ひ"から変わるものを"ち"として、元々あった"ち"を"き"に変えろってことかも!」
「テオン、それともうひとつ問題が。この並びでいけば、"ひりよう"とならない。先に文字列を逆にしないと、変換できないことになる」
「あ、そうか! シバ頭いいね。最初に逆さまか……。逆さまにしろと歌にも書かれているのかも」
「"我の頭は尾に向くが、終焉は開始となる"の部分かもしれないな」
「うん、じゃあ反対にしたのを書いてみるよ」
わがやみめさましげるものちりようむむろいでちむとりとなて
「いくらかは、それっぽい文になってきた」
「……もしも逆さにするのが最後の部分であるのなら、変換順序は歌の順序ではない気がする。逆だよ!」
★最初に逆さまにする!
お(を)→め
す → て
の → む
た → し
は → よ
ち → き
我が力(=ひ)→ち
かがみ→ 我が国 → ひりよう
我が国→ ひりよう → かがみ
「うん、これから"ひりよう"になりそう。じゃあ変換していくよ。元々変換後の言葉が存在していたのなら、そこは今僕達の変換でおかしな文字になると思うけれど、それは後で調整しよう」