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吼える月
第35章 希求
「大丈夫、武器がたくさんだし!」
「キリがねぇんですよ、だから姫様は下がって!!」
「あたし、思いついたことがあるの。ちょっとそれを試させて?」
今度は上腕骨で白骨の大腿骨を殴れば、白骨の体勢が崩れる。
「一体なにを!!」
「あの扉の模様に触れてみる」
「やめて下さい、危険ですっ!!」
「それでも、あそこから出る光が関係しているのなら、それを止める方法を見つけなきゃ。まずはお試しで」
ユウナは、転がっている白骨の臀部の骨を持って、それを扉に投げつけた。
「姫様――っ!!」
ぶつかる瞬間、赤い光はそちらを排除しようとしたのか、サクが相手をしている大勢の白骨達は、バランスを失ってよろけたり倒れた。
そして扉に投げられた骨が大破した直後、白骨はしっかりと動き出す。
「サク、やっぱりあの扉!! あれの気を逸らせたら、もしかすると扉を守る力は減少するかもしれないわ!」
正面突破が可能になる――。
『その瞬間に、小童の力を出して我の力と等しくせよ。そして青龍の力も』
簡単に言うが、サクから玄武の力は出てこないのだ。
それでも――。
サクはユウナを片手で抱きしめるようにしながら、白骨を倒して行く。
「姫様が見つけてくれた活路、利用しない手はありません。ワシ!! シバのところに行って、テオンとユエに協力して貰って、力がそれたところに青龍の力をぶちこめと伝えろ!」
ぴぇぇぇ……ぇ?
「サク、ワシちゃんは人間の言葉は話せないわ」
「俺も限界突破するんだ、ワシも言葉くらい話せ!!」
ぴ……ぴぇぇ……。