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吼える月
第7章 帰還
「この堅いの……なに……? 痛い……」
「……くっ、なんで手で掴む……にぎにぎは反則だろっ」
「ん……熱くてほかほかしてるけど……びくびくして……気持ち悪い……」
「失礼な! 俺は気持ちよすぎ……あっ……姫様、そこまでして、ぽいってのはないでしょう? ……ねぇ、聞こえてます? 俺……心が寒いから、その襟ぐりから胸の谷間に手を入れて暖まってもいいですか? もうほとんどはだけちまってんだから、完全に剥いてしまってもいいですよね?」
「ん……」
「それは肯定ですか? だったら触りますよ? 起きなければ、またすごく触っちゃいますよ? 触るだけですまなくなるかもしれませんよ? 姫様起きて下さい、姫様、ひーめーさー」
「……うるしゃいっ!!」
ユウナが怒って目を開ければ――、
「ようやく起きましたか。おはようございます、姫様」
目の前に、憔悴仕切ったサクの顔があった。
「ひっ!?」
「悲鳴とはひどいですね、姫様。離れなかったのは姫様の方ですからね?」
はだけた姿の自分とサクが抱き合っていた。
ほぼ裸の逞しいサクの上半身に抱きついて、頬をすり寄せていたらしい自分。さらにはサクの足を挟むように……これまた露わになった太腿を巻き付けていた自分。
「こ、これは……」
「姫様ですよ、俺じゃないですからね!! 俺の苦労を知らずに、姫様がぎゅうぎゅう抱きついて、俺をひんむいてすりすりしてきたんですから。上も下も!!」
「え、ええと……あれ? サク……足のところになにか固いものが……」
「寝ても覚めてもそこばかり!! こうなったのは誰のせいだと思っているんですか!! 煩悩滅却し続けた俺の理性を褒めて欲しいですね!!」
この固いものの正体がわからないユウナは、太腿で擦ってみる。
「なぁに、これ。大きくなってる?」
「ひーめーさーまーっ!!」
サクが慌てたような顔で飛び起きてしまい、結局それがなにかは、ユウナはわからなかった。