この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第37章 鏡呪
 
「お兄さん、ワシで移動したところでも、全部が矢の標的にされてしまうよ。今の状況では無理だって」

 ぴぇぇぇぇぇぇ!!

「移動は今じゃねぇ。きっとお前達は渡れないと思うから」

「サク、どういうこと!?」

「ちょっと姫様、シバの加勢にいってきます」

 サクは走ってシバが格闘する射程距離に入ると、片手から放出した水色の光で、シバを守るようにして矢を弾いた。

「どうして、来るんだ!? ここはオレに……」

「いいか、シバ。地だ。地に足が着くと矢が発射される」

「え……」

「だったら、地に足を着く者と、宙を飛ぶ者がいると、どう判断するんだろうな。……シバ、飛べ!」

 サクが玄武刀を水平にした意味を悟り、半ば条件反射的にその玄武刀を踏み、シバは高く舞う。

 すると矢口は突出したまま、矢の発射を止めた。

「恐らくそれはいくら破壊しようとも、再生されるだろう。壊すべきものは……地だ」

 そしてサクもまた跳ね、砂の断面を蹴るようにして高く飛び、落下を始めるシバの足を掴むようにして、さらに上へと放り投げる。

「シバ、地に力を放て!」

 サクの声を合図にして、宙からの二地点から、青色と水色の目映い光が地面に向かう。


「いっけぇぇぇぇぇぇ!!」


 そして――。


『ひ、ひぃぃぃぃ~』

 テオン、ユウナ、ユエを背に乗せた熊鷹が、細い足を巨大なラクダにがしっと掴まれたまま、目を血走らせながらよたよたと向こう岸に渡っていた。

 サクとシバが、地面を大規模で壊してしまったため、歩くことが出来なくなった一行。

『もっと高く飛ぶのだ。もっと高く~』

 ラクダは、深淵の闇を見ると恐怖に暴れたため、熊鷹の動きが派手な上下運動になり、三人は悲鳴を上げる。
/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ