この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第9章 代償
 

「……そういうことだ。して、サク。お前、契約してからなにか特別な力は使えるのか?」

「全然。どんな力があるのか、どう使えばいいのかなんの説明ないまま、うんともすんとも言ってこねぇよ。この痣……邪痕を見る限りにおいて、契約は今も続いているということがわかるくらいだ」

「……既契約の強みはねぇか。だが、おかしいな。なんでそいつ、沈黙を保っているんだ? だが逆に……。おとなしいからこそ、玄武の力で押さえ込める可能性は……ある、か」


「親父、そのふたつ契約を抱えるためには、最短何日だ?」

「正式な手順を踏まず、玄武の力を強制的にお前に移行するには二段階ある。まず、玄武の力をお前に注入して体に馴染ませるので半日。馴染めば、正式契約……これは半日もかからねぇ。

問題は玄武との契約に行き着くまでに、お前がどれだけの日数でふたつの"異物"を抑えきれるか、だ。

そしてお前が味わう苦痛はその間だけじゃねぇ。めでたく契約がなされたとしても、お前は常にその"異物"の反乱に危険に晒される」


 サクは眉間に皺を寄せて考え込み……そしてハンを見た。


「親父、俺……それやる」


 その目には、躊躇はなく。


「苦しいぞ。下手すれば……6日を待たずにお前は死ぬぞ?」

「だけど、死なない可能性もある。ならば、俺はそれに縋りたい」


「……玄武の移譲儀式は強制。玄武がお前を認めねば、お前を滅ぼすのは魔ではなく神獣かも知れねぇぞ?」


「それでも。親父も姫様も死なせないように護るためには……それしかねぇ。僅かにでも可能性があれば、現実のものにするしかねぇだろ」


「サク……」
/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ