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吼える月
第12章 心願
絡め合わせた両手に力を入れながら、サクは挑発するかのように押しつけて仰け反ってくるユウナの柔らかな胸を、服がはだけられた逞しい胸板で受け、静かに体を沈ませて体を密着させた。
ユウナの熱い肌を、その息づく躍動を直に体で感じ、サクはくらくらとした眩暈を感じながら、黒ずんでいない白い部分に啄む様な軽い口づけを落とす。
ユウナの胡乱な紫の瞳を……優しく見つめながら。
「痛みより、俺を選んで……ください」
その顔は真剣で、大人の男の艶に溢れていた。
「俺のもとに、帰ってきてください。俺は……簡単に離れませんよ」
サクを見つめ返す、少し虚ろな紫の瞳が大きく揺れた。
「……誰……?」
少し虚ろな紫の瞳が細められ、訝った声がかけられる。
「そんなに俺、変わりましたかね……? 自己紹介より、姫様の肌は……俺の舌を覚えているかと思うんですが」
サクの舌の尖端が、ユウナの黒ずみかけた胸に移動する。
「ここを……洗浄してあげたら、あんなに悦んでくださったのだから」
胸の横の部分を肉厚な舌で舐め上げると、ユウナの体がふるりと震えた。
「……ふふふ、体は正直。それは苦痛の反応ではないんですよね? 姫様、まだ朦朧としているのかな……思い出して下さい。俺の感触を」
サクは懇願のように熱っぽい声音を、生気と共にユウナの肌に吐いた。