この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第12章 心願

――姫様……俺を感じて下さい。痛みではなく、俺の熱を……。



 痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い……。


 ああ、なにか温かいものが流れ込んでくる。



――痛みより、俺を選んで……ください。


 
 痛いけど、とっても痛いけど……。



 気持ちいい……。

 サクに包まれているようで、あたしはひとりじゃないって安心する。


 信じてみようか。

 サクのいる現実世界に帰るために、この声に従ってみようか。


 サクの熱と感触を持つ、この艶めいた声に。



――姫様、俺の方が……痛みよりもいいでしょう? だったら……俺に集中して。俺の……口づけを感じて。



 ああ、サク――。


 気持ちいいの……。



――苦痛に耐えられたらのご褒美の"治療"です。だから、頑張って……。



 これ以上の気持ちいいことがあるの?

 だけどあたしひとり、そんな恩恵を受けるわけにはいかない。


 サクが。

 サクが気持ちよくならないと。


 あたし自身ではなく、サクを幸せにしたいから。



――……たとえそれが"治療"でも、たとえそこに愛がなくとも、俺にとっては……僭越すぎる、僥倖です。



 サクが幸せになれるのなら――。



 タトエソコニ、アイガナクテモ。



 "治療"が、サクの苦しみを和らぐことが出来ますように。


/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ