この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第12章 心願
 

「姫様……両手は俺の首の後ろに回して。そして……辛かったら、俺の肩を噛んで下さい。がぶりと……歯形をつけて下さい」


 従順なユウナの手が首に回される。


 ここから先――。


 きっとユウナに押し入る自分は、正気のユウナにとっては、忌むべき"男"となりえる。これは"洗浄"とは違う。なんの申し開きも通用しない。


 もう後には引けない。


 ユウナを救い、傍に居るためには……自分が恋い焦がれた黒い瞳のユウナを、愛でもって抱くことは叶わない。治療しかできない。


 それでもユウナを護りたいから――。



 逡巡は、やがて覚悟になる。



 可愛い姫様。

 愛おしくて仕方が無い姫様。



 一目で囚われた、あの黒い瞳のユウナを抱きたかった……。

 苦しくてたまらない恋を実らせて、想いを分かち合ってみたかった。


 ユウナが選んだ男は自分ではない。

 ユウナが抱かれようとしていた男は自分ではない。


 それでも――。


「ごめんなさい……姫様。それでも俺は……この治療役を、他の誰にも譲るわけにはいかないんです」


 少しでも、ユウナにとって"男"としての自分の痕跡を残したい……その欲望こそが正直な心。

 主従ではなく、友人でもなく……ただの男と女として、体だけでも愛し合ったその痕跡を、少しでもユウナに刻みつけることが出来たのなら。


 ……たとえ、そこに愛がなくとも、幸せな時間は刹那に終るとしても。

 その後、苦しみが長く続くとしても。


 それでも、たとえひとときでも――

 ただの男としてただの女のユウナを独占できるのならば。


 それは僥倖。

 この想い……潜めていよう。



 ユウナの後頭部を手で撫で、サクは……屹立する己自身を、ユウナの蜜で溢れかえった熱い花園にまぶした。


「ん……」


 その感触に、ユウナの唇が半開きになる。



 それを見て、サクは切なげに微笑んだ。


 ここから先、禁じられるのなら――
 
 今だけは素直に伝えたい。


「姫様……愛してます」


 この言葉が、ユウナの記憶に残らなくても。


 サクの目から一筋の涙が零れ……そしてサクは雄々しい分身を、前に抱くユウナの蜜壷に下から押し込んだ。

/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ