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吼える月
第12章 心願
「――っ!? ひ、姫様、それは……っ」
まるで悲鳴のようにひっくり返って、激しい動揺を示すサクの声。
「やだっ!! 離れちゃやだっ」
「離れません、離れませんから……姫様、力を抜いて……。あ……ぁっ……くっ……」
サクが目を細めて、苦しげな声を漏らす。
触手のようなざわめきを伝える熱い膣襞は、抜いて出て行こうとするサクの肉棒を離すものかと、絞り上げるように締め付けてきたのだ。
悲しいかな、肉体を鍛え上げてきたサクとて、肉棒は鍛えていない。
不意打ちを黙ってやりすごせるほどの経験値もなく。
「ああ……姫、さ…ま……っ、力……抜いて……」
強烈な快感をひたすら我慢して、ユウナに懇願するしかないサクの眉間にはきゅっと皺が寄る。
仰け反るようにして艶を播き散らせながら煩悶するサクの姿は、悩ましげでユウナはしばし見惚れてしまった。
精悍な首筋を伝い、紅潮した鎖骨に滴り落ちるサクの汗。
それに気を取られ、その雫に舌を這わせて掬い取ることに成功したユウナは、満足気に笑って無意識に収縮を緩めた。
するとサクはぜぇぜぇと肩で息をして呟く。
「はぁっ、はぁっ……。速攻……イっちまうかと思った……。やばいぞ、この姫様はとんでもねぇ。このままじゃ……俺が振り回されるじゃねぇかよ。大人しく抱かれてくれねぇのかよ、この姫様は。ふぅっ、まずは平常心、平常心……」
サクは僅かに詰るような眼差しを向けながら深呼吸をし、
「サク……? 気持ち……悪いから……出て行…きたかった…の? あたし……頑張るから……だから、離れて……いかないで?」
勘違いしているユウナに、苦々しく笑った。
「離れて行こうとしてたのはどっちですか。……まぁいいや、正気でなくても、子供みたいな今の姫様もすっげぇ可愛いから。
出て行きませんよ。姫様のナカ……こんなに気持ちいいのに。できるのなら、俺と姫様入れ替えて……この気持ちよさ、姫様に味わって貰いたいくらい……いや、姫様でも駄目です。これは……俺だけの特権だ」
その艶めいた眼差しは、愛おしげに――。