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吼える月
第12章 心願
サクは律動を再開し、同時に鎮呪の力を放つ。
サクが感じる熱量こそが呪詛の大きさ。
それと同等の力をユウナの胎内に返して相殺させるという行為は、ユウナの胎内の中でサク以外の、なにかの"蠢き"をユウナに感知させることとなった。
サクによって、穢れの浸透を阻まれて浄化されいく呪詛が、足掻くように行き場を求めてユウナの胎内で熱となり、さらに暴れる。
そこを掻き乱すような灼熱の楔。
ユウナを享楽に引きずり込もうとするほどの、快感を生じさせることになった。
「ぁ……んっ、はぁ……んっ」
凌辱された時は、痛みしか感じなかった。
だが今は違う。
熱くてぬるぬるしたものが膣壁を擦る度に、細胞が震えてさざめく。擦られる際の刺激が、気持ちよくて仕方が無い。子宮がきゅうきゅう疼き、とろとろとした淫らな蜜を、サクの陰茎にしとどに濡らし尽くす。
こうして抱きついて、肌の温もりを感じられるのも、ユウナの安心感を与える要因のひとつでもあった。
ただなにより、サクはユウナの負担をかけさせまいと、彼女のペースに合わせ、ゆりかごのような動きにてゆっくりと優しく進めていたのが、ユウナの不安を取り除いた大きな原因だった。
「ん、んん、ぁあんっ」
律動に乗せてユウナの口から、甘い矯声が漏れた。
子猫が鳴くようなか細い声には、女の悩ましげな艶を含んでいる。
それに顔を綻ばせるサクに気づかずして、次々と押し寄せる快感のさざ波にユウナはさらわれていた。
気持ちよくてたまらない。
だがその快感は、弾けるには今一歩、加速力が足りなかった。
ユウナは無意識に、自分で腰を振り始めた。
「……姫、はっ、姫様……? ふふふ、おねだり……ですか? もう辛くないんですか……?」
艶めいた甘やかな声。
熱を孕んだ妖艶な眼差しが、ユウナに注がれていて……ユウナは恥じらうようにて少し顔をそむけた。