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吼える月
第12章 心願
今まで――なにもなかったはずのユウナの頭上には、
「な、なななな!!」
怒った"それ"が仁王立ち。
流石のサクも面食らった。
「サク……ぅ、やぁぁんっ、止っちゃ……小さくなっちゃ嫌ぁぁっ」
「あ、す、すいません姫様」
驚愕しているサク自身の反応は素直で、上り詰めようとしていたユウナが、急に加速力を失ったサクを詰り、ポカポカとサクの背中叩いた。
あえて"それ"の無視を決め込み、柔らかなユウナの体を強く抱きしめその匂いを嗅ぎ取れば、それだけでたまらない心地となる。
「ぁ……っ、すごい……ああ、大きくなって、びくびくして……あ、ああ……っ、お腹が……熱い……は……ぅっ、サク、それ……その動き、気持ちいいの、ああ……っ、溶けちゃい……そう……っ」
ユウナが気持ちよさげに身悶え、その体が反り返る。
「……は……ぁっ、姫様……っ、俺も……気持ちいい……」
サクの眉間にきゅっと苦しげな皺が寄った瞬間。
『優先すべきは艶事か、小僧――っ!!』
ユウナの上の"それ"が、またもやシャーッと牙を剥く。
「い――っ!?」
「嫌嫌嫌……っ、どうしてぇぇっ、意地悪しないでぇぇぇ……っ」
「意地悪ではないんですが……すみま……このイタ公!! 邪魔しねぇ約束だったろ!? お前はネズミでも食ってろよ!! 腹減ってまた一段と機嫌悪くなるな!!」
『邪魔とはなんたるぞ!! 我は心優しい武神将から進呈されたネズミをたらふく食い、感謝の印に一番おいしい部分を残し!! この不甲斐ない小僧に、わざわざ危機を知らせに、ここまで来てやったというに!!』
怒った拍子に、白くて長いものがユウナの頭上から垂れ下がる。
「ん……なぁに、これ……」
ユウナがとろんとした顔で、唇の前にあるその尖端を口に含むと、
「……ううっ!?」
それは身悶え、頭上から滑り落ち……ユウナの豊かな胸元に顔を埋めた。
驚いたユウナが口を離すと、そこからすぽっと頭を抜いたそれが、乳房に小さな足をかけて、忙しい息をしてぶるぶると震えた。