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吼える月
第12章 心願
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サラに招かれた兵士達は、開けられた戸の奥を見る。
ギシギシと激しく軋む寝台の音。
濡れた粘膜が擦れ合い、淫猥な水音が飛び散る音。
絶叫のような獣じみた嬌声と荒い息遣いが混ざる――そんな獣じみた部屋には、淫らな愛欲の匂いが充満し、欲求不満の牡の部分を聴覚と嗅覚だけで刺激された兵士達は、ただそれだけで己の分身を勃たせた。
そこに……視覚が加わる。
乱れた服を纏い……対面に座りながら激しく絡み合う男と女――。
背を向けている男は、腰まである長い髪から垣間見える隆々とした広背筋を動かしながら、両手で女の臀部を鷲掴むようにして、その体を上下に揺さぶり、更には自分も腰を大きく突き上げていた。
それは……あまりにも淫靡で扇情的な光景だった。
「……は、ぅっ……ああん、ああん、気持ち……いいっ!!」
後方に反り返る女の体は男の広い背中によって見えないが、揺さぶられる度に散る黒髪と女の嬌声が実に艶めかしく、女の乱れ具合は凄まじいことはよくわかる。
男の首に回された手には指輪。
その指がまるで白蛇のように男の黒髪に埋められ、取り込もうとしているかのように悩ましげに動く。
彼女は、男の肩に容赦なく噛みつきながら、獰猛に襲う快感の強さを表現し、男の腰に交差させた細い足首に力を入れて、さらなる刺激をせがんでいるように見えた。
男の肩は女の歯形で血が滴り落ちているが、女を揺さぶる動きは負傷を感じさせぬほど容赦なく、女は段々と狂気じみた嬌声を上げ始めた。
まるで肉食獣のような獰猛な性交――。
兵士達の血走った目は釘付けとなる。