この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第13章 献身
 
 姫と名乗る女達を探索始める近衛兵は、直後にサクとユウナの探索を命じられたとしても、"その時その影も見当たらなかったからいるわけがない"と、改めての捜索はしないだろうと、ハンは推測した。


 近衛兵は無駄に自尊心と見栄が強いから。

 だがきっとそれはリュカも思うこと。

 消えた怪しげな女達がサクを逃がすためだと気づいたリュカは、そんな傲慢な近衛兵に圧力をかけてでも、再度見直しさせるだろうとハンは踏んだ。


 サクとユウナが無事に逃げられる時間があるのだとすれば、リュカからの再指令が下されるまでの間。


 上層部と下層部の連絡のやりとりが遅くなればなるほどに、近衛兵が本気にリュカの命に従うまでの間、サク達は逃げられる。


 消えた怪しげな女の影。

 置き土産の騒動。


 それが時間稼ぎだとリュカが気づくまでの僅かな間が、勝負。


 さらに探索隊の数を減らすために、黒崙に陽動出来れば…分散された兵力では、仮にサクが戦闘状態になったとしても、乗り切れると。


 ただひとつ、ハンには憂い事があった。


 それは、ユマの昏い瞳――。

 そして街長の姿が見えないこと。



 だから彼は、もしもの時のために保険をかけた。

 これは危惧で終ることを祈りながら。


 そしてその危惧は、サクも感じていた――。



/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ