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吼える月
第13章 献身
「姫様、行きましょう。このままではきりがない」
「……ええ、そうね。そう……ね」
サラが足を進めて、サクに手渡した。
「やはり、あんたが持っていなさい」
それはサラの……赤い餌のついた武器だった。
「これは母さんの"思い"が詰めているの。悲しいこと楽しいこと、辛いこと苦しいこと……共に乗り越えてきた"戦友"。この思いで、母さんの分も……可愛い"妹"を護って上げて……」
「お袋……」
サラは泣きながら笑った。
「お姉様っていうのもいいけど、お母様っていう言葉も聞いてみたい。だからサク、頑張るのよ。そしてごめんね、あんたの心を優先しなかったこと。母さんは……いえ、父さんも。あんたを応援してる。幸せになりなさい」
サクは照れくさそうに笑って、真面目な顔で頷いた。
「ああ、なってみせる。そのために……行ってくるから」
「頑張れよ、サク。姫さん!!」
「頑張りなさい。お健やかに、姫様、サク!!」
そしてふたりは、黒崙を後にした。
その後の悲劇を、予感していながらも――。
「……ええ、そうね。そう……ね」
サラが足を進めて、サクに手渡した。
「やはり、あんたが持っていなさい」
それはサラの……赤い餌のついた武器だった。
「これは母さんの"思い"が詰めているの。悲しいこと楽しいこと、辛いこと苦しいこと……共に乗り越えてきた"戦友"。この思いで、母さんの分も……可愛い"妹"を護って上げて……」
「お袋……」
サラは泣きながら笑った。
「お姉様っていうのもいいけど、お母様っていう言葉も聞いてみたい。だからサク、頑張るのよ。そしてごめんね、あんたの心を優先しなかったこと。母さんは……いえ、父さんも。あんたを応援してる。幸せになりなさい」
サクは照れくさそうに笑って、真面目な顔で頷いた。
「ああ、なってみせる。そのために……行ってくるから」
「頑張れよ、サク。姫さん!!」
「頑張りなさい。お健やかに、姫様、サク!!」
そしてふたりは、黒崙を後にした。
その後の悲劇を、予感していながらも――。