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吼える月
第15章 手紙
 

――必ず、リュカ以上に俺を求めさせてみますから。


 好きだと、嫁にしたいと……言葉を紡いだのはこの唇。

 いつもいつも悪態ばかりつく、この薄い唇。



「……っ」


 
 眩暈がする。

 引き込まれそうだ――。


 唇同士を重ね合わせたくなりそうな、はしたない誘惑を振り払うように、無意識に近づけていた顔を慌てて離すと、ぶんぶんと頭を振った。



 狸寝入りをしているサクはわからない。


「サクの嫁……か。嫁……うふふ……」


 ユウナが、無意識に蕩けるような顔をしていたことに。


 "嫁"を反芻したユウナの顔には、今までサクが見たことのない……乙女の表情があった。

 そしてその顔は、リュカすらも見たことがないもので。



「サク……あたしね、嬉しかった。すごく嬉しかった……。サクになら……恋や愛、教えて貰いたいな。少しずつ……。ふふふ、勝負か……」


 サクを見つめる優しげな眼差しが、今までとはどこか違う熱を孕んで揺れていたことも、


「なんだかあたしも……眠くなっちゃった……」


 サクの肩に頭を寄せるように目を閉じたユウナの顔が、幸せそうな表情を浮かべていたことも、サクにも……そしてユウナ本人にもわからなかった。


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