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吼える月
第17章 船上2
「どうすれば……引くの?」
「方法はふたつと言われてます。ひとつは、じっと時間が経つのを耐えている。その媚薬効果がどれだけかはわかりませんが、俺の首にかかった蜜は、あの小瓶半分より少ない程度。丸1日……或いは2日かかるか」
「1日もこのまま……? そんな……」
途方に暮れたかのような悲哀じみた声。
熱に潤むユウナの目が涙で潤み、それがサクの情欲を煽り立てる。
ユウナを見ないように僅かに目をそらしながら、安心させるかのようにその背中だけを手でぽんぽんと優しく叩く。
「他に方法は? すぐに鎮まる……中和される……方法は? 解毒剤みたいなもの……あるのかな……ぁ……っ」
苦しげなユウナの顔には、艶めいたものが混ざっていた。
「媚薬抜きの中和剤というものは……ないと聞きます」
薬に理性が飲まれれば、楽園。
理性が薬を押さえ込めば……ただの拷問にしか過ぎなく。
「そんな……っ」
「だけど……ひとつ」
サクは神妙な顔をユウナに向けて言った。
「媚薬によって興奮した身体が、果てを感じて満足すれば……媚薬との闘いは終わります」
「果て……?」
「はい。洗浄にしろ治療にしろ、俺によって姫様が気持ちよくなりすぎて、ふわっと白い世界にイっていまう……あの感覚です」
「――っ!?」
ユウナの顔は真っ赤になった。
なまじ理性が残るために、羞恥に火の付く身体はさらにユウナを悶えさせる。