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吼える月
第17章 船上2
「ああ、駄目、サク……ああ……」
胸を強く触られると意識が飛びそうになるほど気持ちがよかった。その上に、ぴちゃぴちゃと……犬猫が水を舐めるような音が、やけに淫らに聞こえて、音だけでユウナの羞恥心という名の快感も高められていく。
「粗相して零してしまった蜂蜜を舐めとりましょう、姫様。とくにこの谷間が……んん……すごくて」
顔を傾けながら舌を動かすサクの姿は、どこか難しそうな表情にて、一心に乳房を貪っているように見えて。
淫猥な……"男"で。
ユウナにとっては、その行為もそうされている自分も、直視できるものではないというのに、それを止めさせるだけの抵抗力は最早なかった。
蜜によって今まで以上にぬるぬるとした感触が付加された上に、豊丘の麓ばかりを舌で責め続けられ、もどかしい快感に狂いそうになる。
同時に……サクの表情が間近に見えるだけに、喘ぐ自分が恥ずかしくてたまらない。
押さえようとする声は、気づけば漏れてしまっている。
甘ったるい、鼻にかかったような声で。
……ますます恥ずかしくなるのに、喘ぎ声が止らない。
サクがもたらす気持ちよさに、平静にはいられない。
じゃれ合っているのとは違う、これは……淫らな行為で。
見慣れた幼なじみの男の表情に、その愛撫をうけていることに、ますます羞恥に火照る身体の感度は上がっていく。
なにをされても涙が出るほど気持ちよくて。
理性が薄れて行くのが恐くて。
「恥ずかしい……サク、ねぇ……っ」
そう訴えれば、サクはとろりとした目を向けたまま、行為を中断する気配はなく。
「恥ずかしい……のっ、サク……っ」
逆に艶っぽい流し目でそんなユウナを見つめられるに至り、ユウナはますます身悶えていく。
「恥ずかしい……だけ?」
ようやくサクが舌を抜いたのは、ユウナが引き攣った息で喘いだ後。
そう尋ねながらも、胸肉を押し上げる手はやわやわと強弱をつけて動いている。それが時折胸の頂きに触れ、その度にユウナは可愛く啼いた。
ユウナは知らない。
偶然を装うサクが、故意的に胸の…頂きにある蕾に、媚薬をなすりつけていたことに。