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吼える月
第17章 船上2
自分以外の女もサクのあの表情を見ていたと思えば、なにか悔しくて。
だったらもう一度、なにがなんでもサクのあの顔を見るのだと、もっともっとサクを乱れさせるのだと、ユウナは意地になっていた。
胸に燻る、もやもやとしたもの。
……それが嫉妬という名の感情からくるものだとは、気づかずに。
「姫様、冗談じゃすまなくなりますからっ、姫様……っ」
「悔しい。サクの傍にいたのはあたしなのに、どうして他の女が先にサクの喘ぎ顔を見ているの!? サクがはぁはぁしてたなんて。ここを誰に触らせてたの!?」
「――っ!? 突然強く握らないで下さいっ!! だから……くっ!! すみません、俺が悪かったですから。だから……」
「そのひとの前では、サクは気持ちよくなったの? あたしが感じたみたいな、あんな気持ちいいこと……、して貰ったの!?」
「お、俺は……」
「あたしにしたように、ぺろぺろとかじゅるじゅるとか、……にぎにぎ以外の恥ずかしいこと、させてたの!?」
「真顔で吐かれる姫様の言葉の方が、余程恥ずかしいです!!」
サクは片手の甲を口にあて、顔を真っ赤にさせていた。
「あたし、サクと一緒がいいのに。サクとどこまでも一緒がいいのに!! サクはどうしていつもあたしを置いて……ああもう、絶対脱がす。えい、えいっ」
「姫様、一緒にいたいのは俺の方……って、この馬鹿力っ!!」
猛るものをさらして、ユウナが恐怖を感じてしまったら。
まずそこを心配するサクは、半下ろしに強行したユウナに抵抗する。
「ありがてぇですが、俺のことはいいですって!!姫様だけでも気持ちよくなれば、俺は……」
「心」
ユウナはサクを見た。
「心も気持ちよくさせて」
「………」
「あたしの武神将なら、どこまでも一緒に来て。そうじゃないと……心が、身体と裏腹で、ばらばらになる」
「………っ」
「なっちゃうの……」
じわりと、ユウナの瞳が涙で潤む。
「一緒に、いたい」
「っ………」
「どこまでもサクの体温を感じさせて」
サクが飲まれたその隙に――。
「貰った!!」
「な!!」
ユウナがサクの下衣を一気に下げると同時に、サクは己の猛る肉棒を、一番傍にある……ユウナの着たままの下衣の中に入れて隠したのだった。