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吼える月
第17章 船上2
「なんで、俺……っ、こんなこそこそ……っ」
ユウナと共に全裸で横臥したまま、ぜぇぜぇとサクは肩で息をつく。
ユウナは下衣を捲って隠匿されたものを取り出そうとするのだが、サクが服地を手で押さえて取り出せない。
「なんで……駄目なの?」
「これは姫様が見るものじゃありません!!」
「触らせたくせに」
「触ってもいいけれど、見てはいけないものもこの世には存在します!!」
本当ならば――。
たとえ繋がらなくとも、これが自分の姿だとすべてさらけだして、ありのままの自分で思いきりユウナを愛したいのだが、どうしてもユウナを怯えさせるのではという不安感が強く。
今、そこまでしなくてもいいと考えていた。
とにかくそれらしい言葉で強引に勢いだけで言いくるめようとしているサクに、ユウナはなにやら考えている様子である。
「お触りはよくて、見ちゃいけない……」
「そうです!! そういう部分なんです!!」
嘯いている言葉を強行させれば、きっと事態は緩和すると…そう思ったサクは甘かった。
「そういうあたしの部分を、じっくり……サクは見たわよね。恥ずかしいって言っているのに。大きく足開いて……さらに、く、口で、な、舐めっ。それはどう説明するの?」
……振り出しに戻っただけだった。
お触りは許されても、見て口で愛撫したことを詰られるサクはなにか面白くない。
見ているだけでも自分の心が満たされるほどに、十分にユウナを愛してユウナを女の高みに昇らせたのだから――。
「説明って……でも最後は自分で、あんなに気持ちよさそうに……。それに姫様のは本当に綺麗で……。すげぇ溢れさせるから、触るよりも舐めた方がいいかと……。あ、甘露みてぇで最高に美味かったです、本当に」
ぶちぶちと独り言ち、最後はユウナの羞恥を煽るように褒め称える。それが無邪気そうな笑顔なだけに、それを受けたユウナの顔は真っ赤になって歪まれた。
「おだまり!!」
「っ……!?」
いまだ乙女心を察せれないサクは、正直な感想として褒めたのに、ユウナがなぜ気分を害したのかわからず、狼狽える。