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吼える月
第17章 船上2
「見られると恥ずかしいでしょう? ね、サクだって恥ずかしいでしょう? サクは……そんな恥ずかしいこと、やめてくれなかった。だけどあたしは優しいの、サクをひとりぼっちにはしないから。ね? だから一緒に気持ちよく――」
若干呂律が回っていない甘ったるい口調で、ユウナは下衣の下に勝手に侵入してサクのモノ掴もうとするが、抗するサクの手に阻まれる。
「ひ、姫様……っ、怒っているんですか、せがんでいるんですか? 一体なんなんで……」
「だから――っ。一緒に気持ちよくなりたいの。そこ、サクが気持ちよくなれる場所なんでしょう? だったら……っ」
両手首を掴まれても、ユウナは体重をかけるようにしてサクの力に抵抗し、なんとしても彼が守ろうとするものを掴もうと、指先をぱらぱらと動かしてその部分に触れようと必死になる。
ユウナの手から遠ざけようと腰を引けば、下衣から出てしまう恐れがあるため、サクもここはもう腕力勝負である。
「姫様は寝惚けた時もそうですが、どうしてココに固執するんですか!! 姫様、どこにこんな馬鹿力……って、ああくそっ!! 俺、やばいんだよ、本当に!!」
サクが爆ぜると、びくりとしたユウナは動きを止め、なにかを訴えるかようなうるうるとした目で、いきりたつサクを見上げた。
「だからその潤んだ上目遣いが、余計俺を追い立てるんだよっ!! 少しは俺事情察しろよ、このお転婆っ!! 俺だって媚薬効果出ているんだよ、これ以上はやばいんだよ!! 煽るなよっ!! 俺だって理性ぎりぎりのところで、拒んでるんだ。どんなにしたくても出来ねぇ……理由は言っただろう!?」
思わず、言葉遣いを素に戻して怒鳴ってしまったサクは――
「ぐす……」
目を伏せたユウナが鼻を啜り始めたのを見て、青ざめた。
「す、すみません、姫様。つい……」
「サク……」
ユウナはサクの身体に抱きついて、距離を縮めると――、
「捕まえた!!」
「!?」
今まで逃げ回って捕まえることが出来なかったそれを、股で挟み込んで捕獲したのだった。