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吼える月
第18章 荒波
……これからも一緒だということは別にいい。
それはユウナ自身も望んでいることだし、そう言って貰えて素直に嬉しいし、気分がとてもよくなる。
だがサクは、治療でなくともあんな淫らなことを、この先も自分とする気らしい……。
いやまあ、心が追いつくまで最後までは待ってくれるとは言っているのだから、きっとひたすら待ってくれるのだろうが……、最後までではなかったら、またあんな恥ずかしいことをするのだろうか。
一番厄介なのは、恥ずかしいと同時に、気持ちよくて心地いい…そんな記憶が頭を占め、次の拒絶感がわかないのだ。
リュカやゲイとしたことは、あれほど嫌悪感でたまらなかったのに――。
その理由は、信頼感なのか愛情なのか。
そこに明確な答えが出せないユウナは、ただ複雑な心地でサクの膝の上に座っており、さらに正論とばかりに堂々と言い放つサクの態度は、羞恥に悶える自分の反応こそがおかしいと詰られているようで。
「あたし、乙女なのよ? 一応……」
「女としての恥じらいを棄てろと言っているわけじゃありません。ただ姫様の場合は極端なんです。一度避けたら、とことん避けまくるでしょう!? 姫様、すんげぇ頑固だから」
「……なにも言い返せないわ、哀しいことに」
「俺、別に姫様と仲違いしたくてしたわけじゃねぇですから。それに、姫様に避けられる理由がありません。俺は、やましいことなどなにひとつしていません。自分の行為には、きっちりと責任を持っています。生半可な気持ちで、あんなことしてません」
そこまで豪語されては、恥ずかしくなる自分がやはり悪いのか。