この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第20章 対面
 


「がはははははは」


 突如、豪快に笑い出したのはギルだった。


「おい、隣国の武神将もどき」


 それは悪意が込められた、サクへの呼称――。


「亀だのイタチだの、お前の言い分は、お前が武神将という特殊な存在であるということが前提のもの。ならばお前が本当は武神将でなかったらどうなる?」


 サクは目を細めた。


「つまり、イタチこそがおかしいもので、本来は亀なのだと」


 ギルはにやりと笑う。


「お前は、自分の存在が武神将として真なるものか、お前が証拠にした、あの亀もどき"イタ公"とやらのなにが真の姿なのか、その真実の正当性を証明出来るのか?」



 サクが武神将でなかったのなら――。

 亀とみなした多くの者達の目こそ真実のもので、イタ公を根拠にしたサクの視点によって、青龍の武神将の息子とされたシバの素性もまた、揺らぐものとなる。

 同時に、サク同様イタチに見えるシバもまた偽りで、さらにシバが"光輝く者"という得体の知れない"特殊"な存在である以上、連帯責任のように、シバの波長に同調していたサクもまた、得体の知れぬシバの同胞という汚名を被る事になるのだ。


 誉れある武神将は、瞬時に、人より忌まれる存在になる――。 
 


「サクは、玄武の武神将よ!! あたしが……」

「お前の目こそ、一番不確かだ。イタチにも見え、亀にも見え。どちらつかずの状態で、この武神将もどきの真偽を唱える資格はねぇ」

「そ、そんな……」



「さあ、どうする。武神将もどき。お前は、自らをどう証明する?」



/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ