この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第5章 回想 ~終焉そして~
 



 妖気にも似た、赤い光が窓から差し込まれる。

 真紅の月を反射したかのような、床に拡がる染み。


 その中央に横たわるのは、ユウナを可愛がった父の骸だ。


 その場を舞台に選び、狂った宴の開幕を告げたのは……凶々しい金色。

 その目に宿すのは、嗜虐的な支配者の艶。



 ……だが銀色は動かない。



「リュカ……。……姫の口に挿れろ」



 リュカは動かない――。



 金色に急かされても、その顔は強張ったまま。

 まるで溶融できぬ氷の彫刻のようだ。


 纏う空気は煌びやかなれど、その瞳は澱んでいる。


 その澱みを拡げるように、さらになすりつけるように、金色は誘惑のように優しい声音をリュカにかける。


「お前はいつでも、その姫を蹂躙したかったのだろう? その姫の潤った熱い蜜壷で、あの可愛らしい声を奏でるあの口で……果てることを夢見ていたのだろう……?」


「違……っ、僕は――っ!!」


 リュカの氷の仮面が皹割れ、隠しきれない動揺が顔に拡がった。


「お前が今宵に向けて色気づいたのは……鍵を奪うという理由だけではあるまい。どんな名目であれ、この女をようやく抱けると思ったからだろう? だが……お前が長らく、その邪な欲を余に隠していたのは気に入らぬ。いっそこの姫を、余の性奴としてやろうか」


「違う、違う、違いますっ!! 僕は、僕はユウナのことなんて……」


「ならば……その女の口の中で耐えて見せよ。お前が本当にこの女のことをなんとも思っていないのなら、いまこの状況に興奮などせず、萎えたまま変化はないはずだ」

「――っ!?」


 
 金の男……ゲイは、後ろからユウナの服の衿を、ぐいと左右に開いた。


「きゃっ!!」


 ユウナは思わず露わになった胸を両手で隠そうとしたが、ゲイはそれを許さなかった。


 ユウナの両手首はゲイの片手に取られ、頭上にて固定される。


 今まで異性に見せたことのなかった柔らかな双丘が、外気にさらされた。

/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ