この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第23章 分離
 


「なんか言ってよ、気持ち悪くてたまらないんだよ」


「お前何歳だ?」

「僕はさんじゅ…――っ!?」


 途中で言葉で切ったテオンの顔が蒼白となる。


「はあああ!? お前、俺より年上だったのかよ!? 童顔もほどがあるだろうよ!?」

「だ、騙したのか!?」


「お前が勝手に言ったんだろうが!! 思い出せ、どこに俺が責められる要素がある!?」

「………っ、……うううっ、突然言うからっ!!」


「……ふうん? 否定しないわけだ、三十代だってことは」

「――!!!!????」


 蒼白なテオンの顔が真っ白になった。


 狡猾さとは程遠く、実に素直に反応を返し続ける、子供のようなかなり年上の男だということはわかった。世間慣れしてそうで世間知らずなのかもしれない。閉鎖的な場所で長らく純粋培養されていた、そんな印象も受ける。


 ……年上であるとは、思ってもみなかったのだが。


「だけどまあ、手際の良さとか子供達の指示の仕方とか、しっかりとした物腰とかみてれば、確かにシバくらいの大人であってもいいかもしれねぇけどよ、だけど十代前半でも違和感ねぇってなによ、お前!!」


 男前というよりは愛嬌のある顔。

 毅然というよりは人なつっこい態度。


 どう見ても、ギルやシバの方がテオンより年上に思える。


「くっ!!! 言うなよ、僕が気にしていることを……」

「お前が気にしてるのに、なんでそんな子供のふりしてギルやシバの元にいたんだ? 皆も知らねぇだろ、お前の年。なんでそんな年で【海吾】に?」

「それは僕が、し……」

「し?」

「――っ!!! も、もう騙されないからな!!」


 テオンも学習したらしい。

 誘導尋問だと言うことを事前に悟れるようになった。


 だが逆にそれで確信がついた。



「お前、祠官だったのか」



 なにかを言おうとして口を閉ざしたのは、口を開くと墓穴を掘るからなのか、別の理由なのか。サクは前者だと受け取って続けた。



「だから、お前……、あの青龍もどき怪物を臨場感溢れた形で再現出来てたのか……」

/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ