この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第23章 分離
 

「……なんかもう、どう生きていいかわからなくて、海に身を投げたところを、丁度船に乗ってた兄貴とシバに助けて貰った。そして生きる場所を与えてくれた。僕は彼らに感謝しているから【海吾】にいる」


「感謝しているんなら、なんでこそこそと青龍殿に……」

「駄目? 父様が心配で会いに行くのは」


 向けられたのは、詰るような眼差し。

 それは仮面を外した、剥き出しの感情を露わにしていた。


「棄てられたからといって、親を心配しちゃ駄目? 父様は心臓を患っているんだ」

「……」
 

「今、父様の動向がなにひとつわからない。いつも表に出てくるのは武神将のジウだけで。だから僕は、青龍殿の結界がなくなる時間に、父様の安否を確認したくて……」


 黒幕がいて、その間諜ということではなく。

 テオン単独行動で、青龍殿に行き来している……それが真実なら。

 青龍殿住まいだったテオンが、青龍殿の結界の解除を知っていても不思議ではない。むしろ、そんな穴があったという方が驚きだった。


 だがサクは考える。

 簡単に青龍殿に忍び込んでいる事実を、青龍の祠官及びジウが見逃すかと。
 

「何で何度も忍び込むことが出来る?」


 するとテオンは意外なことを言い出した。


「いないんだ。青龍殿には、ジウはおろか父様も、臣下も。無論、蒼陵から集ったという大人達もいない。もぬけの殻なんだ」
/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ