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引き裂かれたroyaume
第6章 壊された記憶
「だっ、め……ほんとに、ダメです……」
「何故?」
「何故っ、て……」
この部屋は、リゼットのためにソフィルスが調えてくれた場所だ。そしてソフィルスがオリアーヌの実子なら、リゼットは、この王の姪ということになる。
「貴女は……っ、あ、んん……はぁっ、私の……」
シャツがまくり上げられて、ブラジャーのホックが外される。
オリアーヌの唇が、ぷっくり膨れた乳首に近づいてきて、いとも易々と食いついてきた。
「ああっ!!いやっ、いやです離して……いやぁああああっ……」
「血族だから?」
「そ……そうっ、はぁ……あんっ!……ああっ」
「お前は、私のためにいつでも股を開くと誓った。それを反故にしたがるのは、私がお前の叔母だから?」
「っ……、う……うぅぅ……」
「馬鹿を言うのも大概におし!」
視界が刹那ぐらついて、鼻の奥で、ほんのり鉄の匂いがした。
リゼットは、今しがた拳でぶたれた頬の痛みから、オリアーヌの底なしの憎悪を感じて戦慄する。
「やぁ……、ああっ!!」
「血が繋がっているだけで、許されないことがある、ですって?それならお前も、結局、常識だの体裁だのの奴隷じゃない……国籍がそんなに大事?身分に……お前までこだわるというの?!」
「ちっ、違……違いま……」
「お姉様は西部の人間を愛したが故に報われなかった……王であるが故に、お前を手許に置けなかった……」
「あああっ」
がりがり、と、皮膚を指先で引き裂かれんばかりに引っ掻かれていく。
サリアに傷つけられて、イルヴァに開かれた皮膚の割れ目から、真新しい血が滲み出す。
「はぁっ、ぅ……んんっ!!」
また唇にキスが押しつけられてきて、息が押し返されてきた。
唇を舌で撫で回されて、顎まで唾液で濡らされながら、下半身をむき出しにされる。
「ゃ、あっ……いやっ……陛下にだって、あっ、ん……陛下にだって、大事な人が……っ」
あれだけ大切にしてもらっていた唇も、身体も、どこもかもがあの優しさを忘れさせられてゆく。
リゼットは、まだ、エメの唇を思い出せるか?とろけるように甘い愛撫も、蜉蝣のように優しい夜も、もしや幻だったのか?
忘れたくない。思い出まで失いたくない。穢されたくない。