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引き裂かれたroyaume
第6章 壊された記憶
「お前は、悲しみを知らなさすぎるわ」
「うっ、ひうぅ……」
「目先の悲劇に浸ってきただけではないの。私の大事な人ですって?お前に何が分かるというの。いつでも愛に恵まれていた、それでも孤独だなどとほざいて……」
「あっ、ああっ……」
「お前の言う苦労なんて、小娘のままごと……甘ったるい愛に守られて、綺麗事だって正当化されてきたんでしょう。私は違う。簡単には泣けなくなった。人が美しいと称えるものに、感動出来なくなった。喜びも、悲しみも、感じやすかったはずの心は必要以上に鍛えられたわ。涙も涸れるほど泣いたこともないお前に、寄越してやる同情などないわ……っ」
「いやぁ……あんっ、はぁっ、あああっ……はぁ……」
膣内が、オリアーヌの指に侵されていく。
陰湿な愛撫に踊らされて、よがるまいと踏ん張っても、腰の奥がびくびく顫える。
「あっ、……ああ……あ……」
「……お前の身体、傷を抉った跡があるわ」
「──……。はぁっ……」
リゼットは、オリアーヌの指の抜けていった性器を閉じると、ぐったり手足を投げ出していた。
「お前は、仮にもヤーデルードの王女。姫君の身体をこんな風に扱おうとは、命のいらない者のすること」
「ベネシーの王妃に、されました」
「お前は、嘘が下手だわ」
「…………」
「そんなにイルヴァが心配なの?」
「──……。分かりません」
ただ、とても似ている、と思った。
リゼットは、さっき広間で、オリアーヌに恋をしていたイルヴァに、エメに恋をしていた自分自身を重ねていた。