この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
引き裂かれたroyaume
第7章 *最終章*失われた希望と、──

「ん、はぁっ」

 初々しいキスを何度も重ねて、そっと舌で濡らされる。吐息をこぼせる程度に開く隙間に、リゼット、リゼット、と、甘い囁きがとけこんで、愛してる、と、脳髄に魔法をかけられてゆく。

 リゼットは、エメになされるがまま、唇を薄く開いてその舌先を迎え入れた。

「はぁっ、エメ……」

 手のひらと手のひらを合わせてぎゅっと握って、一つになった二つの唾液を、吐息を、貪り合う。

 リゼットは岩場に寝転がって、数秒振りに、逆光の中のエメの顔を見上げた。

 エメの手がブラウスの膨らみに伸びてきた。

 片手は強く繋いだまま、心臓に近い方の胸に、甘ったるい電流が走る。リゼットの背がひくんと仰け反る。

 「あっ、ああっ……」

 ぎりぎり触れられている力加減で、左胸の膨らみが、円を描いて撫でさすられる。頭の天辺からつま先まで、熱い眼差しを浴びながら、手のひらと、衣服に覆われた乳房に、大好きな温度が伝わってくる。

「ん、はぅ……っ、!!」

 唇がまた触れ合った。

 リゼットは、反射的にエメを押し飛ばす。

 視線を巡らせると、エメの、吃驚したような目がこちらを見ていた。

 リゼットは、今しがた外されかけたブラウスの襟元を握る。

 どこに触れられても、どんな言葉もどんな愛撫も、うっとりしていた。それなのに、衣服を脱がされかけた瞬間、頭で警報が鳴ったのだ。

「やっぱり、私のこと、忘れて……」

「どうして?」

「──……」

 こんな身体を見られたくない。

 オリアーヌに知り尽くされて、イルヴァにその慰めを請って、貴族達の娯楽にされて、挙げ句に侵略の道具になった。
 変わってしまった。エメが、ともすればガラス細工よろしく触れてくれていた肉体は、今や醜くぼろぼろだ。鞭に打たれた形跡だけならまだしも、乳首に貫通したニードルの跡も、それよりむごいところに施されたピアス穴も、同情どころか忌まわしがられる。

「エメのこと……好き。好きだから、貴女の目を……汚したくない……」

「──……」

「エメのものじゃなくなってしまった。私のものでもなくなった。こんな身体、貴女に見られる価値はない」

「リゼット」

「…………」

「来て。リゼットに、全部話すから。一生一緒にいたいから、あたしも、隠し事はしない」

 東の空が翳り始めて、海に、蜜色の光が広がっていく。
/136ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ