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引き裂かれたroyaume
第7章 *最終章*失われた希望と、──

「すごい濡れてる。服、脱がせて正解だ。もう少しでおねしょのシミが出来るところだったよ」

「はぁっ、言わ……言わないでぇ……」

「どこもかしこも傷だらけなのに、……君は罪なお嬢様だ。触れるのも惜しいほど綺麗だった。今は……もっと傷付けたくなるほど綺麗だ」

「あっ、あっあっ……ああっ!!」

「これ、やったのヤーデルード?」

 乳首がぱちんと弾かれた。ピアスこそ外されていても、生傷の固まったばかりのそこは、少しの刺激も過剰に感じる。

「陛下に……うっ、ぅ……叔母に……」

 エメが、懐から何か取り出した。チェーンに繋がった二つの輪っかだ。

「あっ……」

 リゼットの心臓がどきんと跳ねた。

 右側の乳首の穴に、ひんやりした金属の質感が入ってきたからだ。

 小さな輪っかは純金で、よく見ると彫刻が施されている。どこかで見覚えがある。

「思った通り、君に似合う」

「これ、は……」

「カントルーヴの家長の証」

「…──!!」

「あたし、ピアス空けてないし。でも、二つあるのは、こうやって保管しておくためなんじゃないかって思わない?一つはここに。そしてもう一つは──」

 リゼットの、硬質なものに飾られた乳首に、エメのキスが落ちてきた。

 オリアーヌにもピアスを装着されたことがあるのに、ただ屈辱に震えていただけだったあの時とは全く違う。乳輪を舌でなぞられる度に、乳首を転がされる度に、金属の異物の質感が、優しく官能を刺激してくる。

「はぁっ、エメ……やだぁ……また濡らしちゃ……」

「気持ち良いの?」

「怖いのぉ……はぁっ、ぁ……はぁっ、幸せ、すぎて……あああっ……」

 下腹へ、太ももへ、優しいキスが落ちていく。

 強制的な快楽を誘導されるような触れられ方ばかりしてきた身体は、こんなにも、淡雪のような刺激に顫えられるものだったのか。

 リゼットの知る誰よりも理性的な愛撫は、誰よりも本能を乱される。
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